認定も認可も花盛り?のウソ
2009年4月13日

公益総研 非営利法人総合研究所
主席研究員兼CEO 福島 達也

 

公益法人の認定も一般法人の認可も、3月下旬を皮切りに、あっちでもこっちでも始まった。

なんだかかなり移行した気分になるが、現実は全くの逆だ。

つまり、認定も認可もまだまだ氷山の一角ということだ。



結局、昨年度の申請数の合計が全国で121団体だから、まだそのうちの2割ほどしか判定が下されていないと言うほうが的確だろう。

つまり、8割強の団体は、ペンディングになっているのだ。



もっといえば、25000団体のうち、移行申請を提出したのがたったの114法人。

なんと全体の5%しかまだ移行申請をしていないのだ。

初年度で2割くらいと言われていたから、かなり低迷していると言ってよいだろう。

というか、まだ迷っている法人が多く、中には、公益から一般に軌道修正するところもたくさんあるのだ。

この事態は誰が予想しただろうか?



ただ、少しずつ、申請の中身が明らかになってくるだろうから、本年度は全体の15%くらい申請するだろう。

そして、来年度が40%。再来年度が25%。その次が10%。最終年度が5%。という感じだろうか。



申請を終えてもペンディングになっている法人の特長としては、業界団体が多いらしい。

結局3月末まで、業界団体の社団法人は一つも認定されなかった。(福祉施設の業界団体を除く)

申請している業界団体も多いようだが、みな一様に補正・修正を求められている。

中には、補正・修正を何度も何度も求められている法人もあるようだ。



これだけ親身?に、いろいろと指摘をしてくれるのはある意味ありがたいことなのだが、そのレクチャーが認定等委員会の審査前だというのが不思議だ。

いろいろと指摘を受けて修正した揚句、認定委員会が全く別の判断をするということはないのだろうか?



もちろん、法律的にはそれも十分あるはず。

というか、法律では認定委員会の前に審査をしてよいことになっていないのだ。

しかし、現実には、申請の手引きに、委員会の審議の前に「審査」という項目がいつのまにか滑り込んでいる。



このことについては、国会議員の諸先生方は誰も気がついていない。

まあ、審査を受ける側からすると、2回も審査や審議があって大変だと思うかもしれないが、意外にその方がありがたいという声もよく聞く。

実質は、行政庁の職員の審査が「予備審査」で、委員会の先生方の審議が「本審査」ということになるのだろう。 全く面白いシステムを考えたものである。



法律の検討途中から、「公務員の影響力を廃し、税金の無駄遣いをなくし・・・・・」と威張っていた先生方はどう思っているのだろう。

まあ、来月総選挙らしいので、それどころではないだろうが・・・・。



さあ、新政権は、公益法人の将来をどうするつもりなのか。

政党の枠組みも大幅に変わりそうだし、公益法人もその渦に飲み込まれていくのだろうか。

そろそろ発表される各政党のマニフェストあたりから見ていこうと思う。

公益総研株式会社 非営利法人総合研究所

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